シェリ (文庫)
出版社/著者からの内容紹介
薔薇色のレースに彩られた寝室の中,女はベッドに横たわり,姿見に映る美しい青年の姿をみつめている――.五十歳を迎えようとする元高級娼婦と,シェリ(いとしい人)と呼ばれる親子ほども年の違う若者との息詰まるような恋.ジッドが「一か所として軟弱なところ,冗漫な文章,陳腐な表現もない」と賛嘆したコレットの最高傑作.
内容(「BOOK」データベースより)
薔薇色のレースに彩られた寝室の中、女はベッドに横たわり、姿見に映る美しい青年の姿をみつめている―。五十歳を迎えようとする元高級娼婦と、シェリ(いとしい人)と呼ばれる親子ほども年の違う若者との息詰まるような恋。ジッドが「一か所として軟弱なところ、冗漫な文章、陳腐な表現もない」と賛嘆したコレットの最高傑作。
家なき娘〈下〉 (単行本)
内容(「BOOK」データベースより)
フランス人を父に、インド人を母に持つ少女ペリーヌは、父母亡きあと、父の故郷マロクールで、素姓をいつわり、名前もオーレリーと変えて、祖父のヴィルフラン氏の工場で通訳としてはたらくようになる。マロクールの村を支える紡績工場の経営者、ヴュルフラン氏はその莫大な財産と冷徹さゆえに孤独だった。そして、勘当した肉親と気づかぬまま、ペリーヌを心の支えと感じるようになる…。『家なき子』で有名な十九世紀フランスの文学者エクトール・マロの傑作。聡明な少女が実の祖父の愛を勝ちえるまでを、近代化の進む紡績工場を舞台に描く。小学上級以上向。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
二宮 フサ
1926年東京に生まれる。東京大学文学部仏文科卒業。17世紀フランス文学専攻。東京女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
消えた宝冠 怪盗ルパン 文庫版第5巻 (単行本)
内容(「BOOK」データベースより)
大金持ちのグルネイ・マルタンは、まっ青になった。「明朝、ランバール夫人の宝冠をいただく」。怪盗ルパンからの脅迫状だ。おびえきったグルネイ・マルタンは二人の男性に厳重な警戒をたのむ。美しい侍女ソーニャに共犯のうたがいをかける名刑事ゲルシャール。それに対抗する、若くたくましいシャルムラース公爵。はたして、ルパンの手から宝冠を守りきることができるのか。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ルブラン,モーリス
フランスの推理作家、1864年生まれ。警察関係の新聞記者のかたわら、1892年夏から小説を書きはじめたが、あまり成功しなかった。1905年、雑誌社の依頼でアルセーヌ・ルパンを主人公とする短編を発表。それをまとめた短編集『怪盗紳士』(1907)で、爆発的人気を博した。1941年没
南 洋一郎
明治26(1893)年1月20日東京府西多摩郡に生まれる。本名池田宜政。青山師範卒業。『懐かしき丁抹の少年』(1926)で少年小説家として出発。『リンカーン物語』(1930)、野口英世等の伝記を池田宣政の名で、『吼える密林』(1933)、『緑の無人島』(1937)などの冒険小説を南洋一郎の名で書いて、多くの少年読者を得た。戦後は『怪盗ルパン全集・全30巻』(ポプラ社)が圧倒的な人気を得た。昭和55(1980)年7月14日没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ナジャ (文庫)
出版社/著者からの内容紹介
「私は誰か?」シュルレアリスム運動の最盛期,1928年に発表されたブルトンの代表作は,自分への問いかけから始まる.実際に出会った人物,おこった出来事,発せられた言葉を,克明に記録するというこの新しい「小説」は発表当初より賛辞にかこまれ,35年後,「著者による全面改訂版」としてふたたび世に送り出された.
内容(「BOOK」データベースより)
パリの町で出会った妖精のような若い女・ナジャ―彼女とともにすごす驚異の日々のドキュメントが、「真の人生」のありかを垣間見せる。「私は誰か?」の問いにはじまる本書は、シュルレアリスムの生んだ最も重要な、最も美しい作品である。1963年の「著者による全面改訂版」にもとづき、綿密な注解を加えた新訳・決定版。
嘔吐 (単行本)
内容(「MARC」データベースより)
サルトルの精神形成を知るうえで欠かすことのできない「実存主義の聖書」であり、また実存主義思潮の熱い季節が去った後も、人生とは何かを真正面から純粋に追求した類稀な小説。実存と不条理を描く現代文学の古典。*
星の王子さま (文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
砂漠に飛行機で不時着した「僕」が出会った男の子。それは、小さな小さな自分の星を後にして、いくつもの星をめぐってから七番目の星・地球にたどり着いた王子さまだった…。一度読んだら必ず宝物にしたくなる、この宝石のような物語は、刊行後六十年以上たった今も、世界中でみんなの心をつかんで離さない。最も愛らしく毅然とした王子さまを、優しい日本語でよみがえらせた、新訳。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
サン=テグジュペリ
1900‐1944。名門貴族の子弟としてフランス・リヨンに生れる。海軍兵学校の受験に失敗後、兵役で航空隊に入る。除隊後、航空会社の路線パイロットとなり、多くの冒険を経験。その後様々な形で飛びながら、1929年に処女作『南方郵便機』、以後『夜間飛行』(フェミナ賞)、『人間の土地』(アカデミー・フランセーズ賞)、『星の王子さま』等を発表、行動主義文学の作家として活躍した。第2次大戦時、偵察機の搭乗員として困難な出撃を重ね、’44年コルシカ島の基地を発進したまま帰還せず
河野 万里子
1959年生れ。上智大学外国語学部フランス語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
チボー家の人々 (12) (新書)
出版社/著者からの内容紹介
【全巻内容】
1 灰色のノート/2 少年園/3 美しい季節1/4 美しい季節2/5 診察/6 ラ・ソレリーナ/7 父の死/8 一九一四年夏1/9 一九一四年夏2/10 一九一四年夏3/11 一九一四年夏4/12 エピローグ1/13 エピローグ2
レ・ミゼラブル〈下〉 (単行本)
内容(「BOOK」データベースより)
お互いに深く愛しあっていることを確かめたコゼットとマリユス。強欲の化身テナルディエ夫婦の娘でありながら、無垢な魂を持ち、ひたむきな愛情をマリユスに捧げるエポニーヌ。最愛のコゼットのために、マリユスを命がけでたすけるジャン・ヴァルジャン。1832年にパリの市内でおこった市民による反乱を背景に、これまでの登場人物すべてが、ダイナミックに交錯、物語は大団円をむかえる。『ああ無情』として、あまりにも有名なユーゴーの大作『レ・ミゼラブル』。この作品の主人公は一人ではありません。パリの市民たちがそれぞれの立場で描かれ、読む者に、自由とは?人間の尊厳とは?を強く訴えかけます。小学上級以上向。
内容(「MARC」データベースより)
ジャン=ヴァルジャン、コゼット、ファンチーヌ。「ああ無情」としてあまりに有名なユーゴーの大作「レ・ミゼラブル」の主人公は1人ではありません。貧困と不幸のどん底で屈することなく、懸命に生きた人びとすべてが主人公なのです。
椿姫 (文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
歓楽の生活をなげうち、真実の恋に生きようとする娼婦マルグリットと青年アルマンとの悲恋の物語。何ものにも代え難いその恋さえ恋人のために諦めて淋しく死んでゆくマルグリットに、作者(1824‐95)は惜しみない同情の涙を注ぐ。汚土の中からも愛の浄化によって光明の彼岸に達しうるもののあることを描き、劇にオペラに一世を風靡した。
モンテ・クリスト伯〈7〉 (文庫)
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今も昔も復讐鬼の物語が人々の心を惹きつけてやまないのは、それが幸福と安寧に背を向けた人間の究極の姿だからであろう。世界の文学史上最も有名な復讐鬼、モンテ・クリスト伯。19世紀フランスの文豪、デュマが創造したこの人物もまた、目的を果たすごとに、底なしの泥沼へと一歩足を踏み入れていく。
本名、エドモン・ダンテス。マルセイユの前途有望な船乗りだった彼は、知人たちの陰謀から無実の罪で捕えられ、14年間の牢獄生活を送る。脱獄を果たし、莫大な財宝を手に入れたダンテスは、モンテ・クリスト伯と名乗ってパリの社交界に登場し、壮大な復讐劇を開始する…。
文庫本で7冊の大著である。物語に多少「できすぎ」の感もあるが、そんな懸念をすぐに吹き飛ばしてくれるほど波状に富んだ展開で、息をつく暇もなく読み通してしまう。フランス文学の大著といっても、机に向かって姿勢を正して読む、というよりは寝そべりながら読むうちについ夜更かししてしまう、というタイプの作品である。
何と言ってもこの小説の白眉は、伯爵の用意周到かつ執拗な復讐の過程である。着々と目的を遂行していく姿が、心理描写をいっさい排した文体で描かれ、後年のハード・ボイルド文学をも連想させる。
復讐の物語にハッピー・エンドはあり得ない。もしあるとすれば、主人公がどこかで「妥協」を見出す必要があろう。モンテ・クリスト伯が最後にどんな選択をするのかも、読みどころのひとつである。(三木秀則)